取組み内容

 「日本企業がジェンダーギャップを解消するさいに、マネジメント・コントロール・システムはいかなる役割を果たすのか」というテーマと、「人材のダイバーシティを生かし、優れたイノベーションを創出する組織を創るにはどうしたらよいのか」というテーマを研究しています。一見すると関連性のないテーマですが、両者は非常に密接に関係しています。
 日本企業には、いまだに根深いジェンダーギャップの問題があり、SDGsの目標5でも掲げられているジェンダー平等の達成は喫緊の課題となっています。また、天然資源の乏しい日本では、人材のダイバーシティを生かし、イノベーションを創出する組織づくりも重要な課題となっています。両者を解決する糸口になるのが、組織における多様な人材の公平かつ公正な評価を前提とした高包摂組織の構築です。
 優れたイノベーションを創出しつづけるには高包摂組織の構築が不可欠です。高包摂組織では人々が公平かつ公正に評価される必要があります。日本企業のジェンダーギャップの解消に向けて、尽力していきたいと考えています。

日本の企業や組織がどのようにして男女共同参画(Gender Equality)に取り組んでいるかを、歴史的および今日的な視点から概念的・実証的に提示した書籍です。日本企業の経営戦略や組織運営に男女共同参画をどのように組み込んでいるかを明らかにしています。
世界経済フォーラムが2021年3月に公表した男女格差を測るジェンダーギャップ指数(GGI)の一部抜粋です。これは「経済」「政治」「教育」「健康」の4分野のデータから作成され、0が完全不平等、1が完全平等を示しています。日本は156か国中120位でした。
日本の4分野におけるスコアです。「経済」と「政治」におけるジェンダーギャップが大きいことがわかります。
G7各国のジェンダーギャップ指数を時系列で比較すると、日本以外のG7各国はジェンダーギャップを徐々に解消しているのに対し、日本は改善されていないことが見て取れます。