取組み内容
それまでは、主にサービスを受ける側だった障害をもつ人がサービスを提供する側になる。障害をもつ人が働く喫茶(カフェ)は、1990年代以降急速に全国に広がり、今では950ヶ所以上にのぼっています。それにともなって、特別支援学校の高等部でも接客サービスが新たな科目として設けられ、実習施設として地域の人たちが利用できる喫茶スペースを設置するところも増えています。こうした取り組みを交流し、つながりをつくっていく場として、全国喫茶コーナー交流会を毎年開催してきました。
このような喫茶の広がりを通して、特に知的障害をもつ人は接客サービスなどはできないとされてきた従来の障害のとらえ方(障害観)を変えてきている点は重要です。また近年では、精神障害や「心の病」をもつ人たちが働く喫茶も増えてきており、喫茶での障害をもつ人ともたない人との自然な出会いを起点として障害の理解や差別・偏見の解消からさらに共生のまちづくりへの広がり、そして喫茶サービスという一連の行為に内包されている障害をもつ人のコミュニケーションの能力を高め、知的な成長・発達を促す教育的機能など、喫茶のもつ多様な役割と可能性が明らかにされてきています。