取組み内容
野生の動物は餌不足の環境で生きている。例外的に人類は農業技術等で凌いできたが、食糧増産はそろそろ限界である。ところで現代の先進国における食料問題の本質は、飽食による栄養不良にある。肉の過食による肥満・過体重が生活習慣病を引き起こしているのだ。畜産には大量の穀物・豆類が使われるので、肉の過食はそれらを無駄にしている側面もある。肉に代えて穀物・豆類を食べるようにすれば、食糧増産ができなくても食料問題は解決へ向かうだろう。しかし経済力のある人が皆そのように動くとは限らない。
実は先進国では日本だけに過食傾向がほとんどない。これは日本の魚や大豆をおいしく食べてきた文化のおかげである。そこで最近、大学院生や商学部生と次の研究に取り組んでいる。
【すしダネの研究】すしには食欲を抑えるヒスチジンを含む魚が使われている。すしはおいしいので世界的に人気上昇中だが、魚の需給に懸念があるので、その持続可能性に関する研究をしている。
【大豆メニューの開発】肉に匹敵する栄養のある大豆を欧米人は食べていない。そこで商学部の特別テーマ実践科目「SDGs調理科学」の授業で大豆をおいしく食べられる新メニューの開発をしている。