取組み内容

 本ゼミは「歴史を旅する」を大きなテーマに掲げて(なので「歴旅ゼミ」と名乗っています)、歴史学の立場から「ダークツーリズム」の研究と実践を行っています。「ダークツーリズム」とは「戦争や災害等に関連する場所への訪問」を意味する新しい観光の概念です。ゼミではこれまでに沖縄・海軍壕公園への「沖縄ダークツーリズム」や皇居・千鳥ヶ淵周辺を巡る「千代田区ダークツーリズム」、横須賀港の「猿島ダークツーリズム」など、日本の「負の記憶」を巡る旅を行ってきました。
 歴旅ゼミの「ダークツーリズム」実践は、実は「持続可能な観光」とも関係しています。「持続的な観光」は、地域の環境や社会への配慮と観光地としての地域の魅力向上の両立を目指す、SDGs時代の観光のあり方です。「歴旅ゼミ」では、合宿前にその土地の過去の出来事を学習し現地の遺構の場所を調査した上で、ゼミ生自身が旅程を組んでいきます。この過程において、私達は訪問先のコミュニティを尊重し、その遺構に敬意を持って接するという姿勢も共に学んでいくことになるのです。
 「歴旅ゼミ」はこれからも「持続可能な観光」の目標と調和しながら新しい発見と出会いの旅を行っていく予定です。

2023年9月のゼミ合宿「沖縄ダークツーリズム」で訪れた旧海軍司令壕のビジターセンター入口。
地下壕への降りる階段。この先、数百メートルにわたって人力で掘られた地下トンネルが続く。
2023年10月の「千代田区ダークツーリズム」で散策した千鳥ヶ淵の土手にある高射機関砲の台座跡。計7基の台座が残されている。
2024年5月の「猿島ダークツーリズム」でのゼミ生との集合写真。楽しかったけど、疲れた!