取組み内容

私たちのゼミでは、人々の生活を取り囲むメディアと生活文化との関係を学んでいます。たとえば、メディアとしては古い部類に入れられてしまう紙の本ですが、時代とともにネットや情報に追いやられてしまうのだろうか。簡単には答えが無いことをきっかけに、ゼミ活動として古本(もちろん紙の本)の奥深い世界を知ろうとしています。
古本屋の奥まで歩き、そこに物理的に存在するディープな蓄積の世界―古本屋なる空間―に入り込もうとします。古本屋それぞれに個性的な分野を持っていて、私たちはその世界に迷い込む驚きを経験しています。
また、古本を通して、人と人とが出会うことを目指す新しいスタイル、「棚主型」「シェア型」とよばれる持続可能な書店スタイルの模索が始まっています。最近徐々に増加しつつある書店スタイルですが、それらを歩き、本を通じた発信や出会いにどんな可能性があるか、本に愛着を持つ生身の人間や人間が作った空間が関わることを通じて生まれる、新しい読者たちのコミュニケーションや読書文化の形を模索しています。

明治大学名誉教授鹿島茂さん発案の棚主型書店にて。一つ一つの棚を覗くうちに、店を何周かしていた。有名な作家や評論家の棚もあれば、マイノリティの文化に関わる小冊子(おそらく市販店では買えないような個性的冊子)を揃えた棚もあり、様々な出会いを楽しみました。
明治大学のOB有志の棚もありました。棚を見に来るだけで、仲間それぞれの現在を想像できるのかも。
新進のシェア型書店にて。自分の小説を売る棚があったり、ローカルな写真集を集めた棚があったり。地域や個性が自由に発信でき、受け止める人々とをつなぐメディアとしての書店スタイル。本をつうじて、ヒューマンスケールの小さな、かつそれぞれ独自のな情報発信の現場を発見。
③ 店主のこだわりが棚主に伝わるのだろうか、カウンターカルチャーの香りが全体に包まれるシェア型古書店。店に流れる音楽も、本との出会いを演出する。本の一冊一冊に思いをはせて浸る時間を楽しむとともに、その脇に顔を覗かせる店のキャラクターにほっこり。アリーナではアート展示も楽しめます。