取組み内容

私の専門は社会調査です。特にインタビューやフィールドワークなど「個人の人生と向き合う」ことを重視します。単なるデータ収集ではなく、今ここで「わたし」と「あなた」が共に生きるとはどのようなことか。他者と出会い対話し、共通点や違いを発見することで、人生や地域の歴史に学び、未来を構想する知的な創造を追求します。社会調査実習では、成果を「社会調査実習論文集」にまとめます。

過去の例に新宿二丁目があります。「いかがわしい空間」と思われがちですが、行くと違うことはすぐにわかるでしょう。約400軒のバーは、賑やかな店、落ち着いた店、多言語が交わされる店など個性に溢れています。一つひとつが自分らしく居られるコミュニケーションの場であり、400という数は多様性と共生を象徴しているのです。

SDGsは2030アジェンダ「No one left behind」の理念を共有します。理念とあるように現実は複雑ですが、だからこそ学術・実践ともに挑戦的意義があります。情報コミュニケーション学部は学際的で課題解決志向性的な様々な知を重ね合わせられる強みがあります。社会の壁を越境する、知的職人としての社会調査の技法を習得しましょう。

2022年7月、新宿二丁目近郊にあるプライドハウス東京レガシーに訪問しました。偶然Youtuber「ふたりぱぱ」のみっつんと遭遇し、2009年から同性婚が公認されているスウェーデンでのリアルな生活についてたくさんの質問が飛び交いました。
2023年10月、新宿二丁目のコミュニティセンターaktaを訪問し、バーへのHIV検査案内など性の健康に関するコミュニティとの協働について聞かせて頂きました。
2023年度の社会実習の成果の一部を大島岳・久保優翔「グローバル東京をクィアする――音楽実践をつうじた多文化共生と共創」堀川祐里編『労働環境の不協和を生きる』(2024年、晃洋書房)として上梓しました。