取組み内容
近年の国内の外国人数の増加に伴い、日本に暮らす外国につながりのある子どもの数も増加しています。しかし、そういった子どもたちの教育環境は十分整備されているとは言い難いのが現状です。将来の夢を自由に思い描けるように、必要な教育の機会を保障することが重要です。しかし、例えばある若者が、大学への進学が必要となる職業を選択したいと思っても、大学や専修学校などの教育機関等(短期大学、専門学校、各種学校を含む)への2022年度に高等学校等を卒業した生徒の進学率は、全高校生等が75.0%であるのに対し、日本語指導が必要な高校生等は46.6%にとどまっています*。
そこで、外国につながる若者で、日本において高校、大学進学を経て就職し、自ら人生を切り拓いていけると思うにいたった若者が、それまで歩んだ過程を調べ、どのよう要因が影響したかを探る研究を行っています。今後、この研究成果をもとにして、これから日本で教育を受け、生きていく若者や、その周りの先生、支援者に対して必要な情報を示し、外国につながる若者が自ら人生を切り拓いていくために自由な進路選択がしやすくなるような環境を整えていきたいと考えています。
研究の一環として外国につながる生徒を対象とした大学入試制度と受け入れ体制について調査報告を行っています。https://meiji.repo.nii.ac.jp/records/2000842
*文部科学省(2024)「令和5年度 日本語指導が必要な児童生徒の受入状況等に関する調査結果について」https://www.mext.go.jp/content/20240808-mxt_kyokoku-000037366_4.pdf

2024年「ある外国ルーツの若者が大学進学・卒業・就職に至った過程」について研究発表を行う様子